明治創業から4代に渡って続く、木の職人集団「沢野建設工房」。
なぜ、私たちが深く木と向き合うようになったのか、そのものがたりをひもときます。
私たちの想い、
木のものづくり
会長インタビューから
ひもとく
人間の暮らしに馴染んだ天然木で
『森に住まう』感覚を、そして、
家族の健康を害さない家を作り続ける。
─文明は進化したけれど、
人間の体は変わらないから。
日本の家はさまざまな新建材の開発で飛躍的に進歩し、建築の手間も大きく軽減されました。しかし一方で、化学物質を多く含んだ新建材を大量に使うことで、室内空気汚染やさまざまな健康被害も問題になっています。いわゆるシックハウス症候群やアレルギーで悩む方が増えていったのです。
文化や文明が加速度的に進化したとはいえ、人間の体は原始時代からほとんど変わっていません。だからこそ人間が住む環境を、もともと住んでいた森の環境に近づける。それが健康にとって一番のプラス要因だと私は考えています。
─家族が健康で長生きするための「住空間」を。
家とは家族みんなが健康で、1分1秒でも長く生活できる空間でなければなりません。それには構造的、質的にも丈夫で高い耐久性が必要です。そして木の温もりや風合い、香り豊かで健康にもよければ、人は必ずその家に長く住みたいと思うでしょう。その結果、家族を守る場所として末永く資産価値を保つことになるのです。
私たちは自然や森のなかで育った天然無垢材(ヒノキや能登ヒバなど)を見極めて厳選し、自社でさらに3年以上天然乾燥させてから使用します。木にストレスを与えない天然乾燥だからこそ、お客さまを感動させる「自然の香り豊かな住まい」にすることができるのです。
健康のために体を動かしたり食べ物にこだわるのもいいと思います。でも「安心して呼吸できる健康な住空間」がなければ、健康な食べ物も運動の効果も半減してしまうでしょう。少しでも多くの方に天然木の心地よさと「森に住まう」感覚を体験していただきたい。切に願っております。
株式会社 沢野建設工房
取締役会長 澤野 利春
健康をまもるための
お約束
試行錯誤してたどりついたのは、
健康のため7つをなくすお約束
「ゼロへの念想い」でした。
かつて新建材を使用していたころ、お客さまの大切な住まいを建てる者として「本当にこれでいいのか?」と疑問が増える一方でした。たとえば、木片を貼り合わせた集成材はいつか剥がれて、接着剤のニオイが増える上に湿気に対して相当気を使わなければなりません。シロアリ薬剤の効果は限定的で湿気に弱い部材は北陸では長く持ちません。ビニールクロスを大量に使うと、室内で目が開けられなくなるほどでした。
それ以来、市場に出回っている安価で便利な新建材ではなく、昔から実績のある本物の部材を使うことが必要だと決意。住む人の健康のため、いくつかの新建材をなくすことに決めたのです。
そして、“7つをなくす”お約束「ゼロへの念想い」が生まれました。「念想い(おもい)」には、「念じるほど想う」という強い意味をこめています。
ゼロへの念想い
- 防蟻・防腐剤は使いません
- 集成材は使いません
- 構造用合板は使いません
- 防虫畳は使いません
- スレート瓦は使いません
- ビニールクロスは使いません
- 合板フローリングは使いません
丹念につくるための
お約束
施工数は、
「職人の目の届く範囲」で。
伝統工芸やアートと同じように、住まいもやみくもに量産できるものではありません。職人の手でつくるには数が限られます。沢野建設工房は、年間に手掛ける棟数を制限し、その数を「職人の目の届く範囲」に定めています。
住まいは、お客さまにとって一生に一度のお買い物。余りのある数を抱えて仕事をおろそかにすることは、お客さまに失礼だと考えています。木と呼吸する住まいを、想いをもって、丹念におつくりします。
また沢野建設工房には木材選びや加工技術に製通した社内大工を多く抱えています。彼らひとりひとりが、”優れた目利きの持ち主”であるからこそ、高い品質を維持できるのです。
沢野建設工房の歴史
明治28年 |
初代澤野幸松 開業 |
---|---|
大正〜昭和初期 |
2代目 澤野幸吉 |
戦後〜高度成長期 |
3代目 澤野吉雄 |
昭和46年 |
材料の仕入れルートを開発し、独自の材料で請負建築業を始める。木材そのものを大切に扱い、自然乾燥をしっかり行う手法を確立。 |
昭和55年 |
現在の地(宇ノ気町七窪)に第一号の工場を建設。 |
平成元年 |
4代目 澤野利春 |
平成16年 |
増資により株式会社沢野建設工房へ。木材の自然乾燥の様子をいつでも見学できるように「天然木材自然乾燥場」を建設。 |
平成22年 |
国土交通省プロジェクトの理念に共鳴し「大工育成塾」に参画。若い大工を「大工育成塾」に送り続ける。 |
平成24年 |
時代とともに失われていく木造建築の技術や知識を後世に伝えるために、「伝統工法伝承棟」建設。 |