私達の住む石川県では、令和6年1月1日最大震度7の地震が各地を襲い
甚大な被害の爪痕を残しました。
震災直後より当社でも、オーナー様や近隣の皆様からの数多くのお問合せが殺到し
その件数があまりにも多く、長く順番待ち頂く状況となるなど
お客様にとっては不安な1年となり、建設業界へもかなりの影響を及ぼした1年となりました。

いつどこで起きるかわからない自然災害。
大切なご家族の命を守るために備えておきたいのが「火災保険」と「地震保険」です。
今回は改めて保険について見ていきます。

【火災保険】
火災保険は加入されているご家庭も多いでしょう。
しかし火災保険対象にも関わらず、使えることを知らない方も意外と多いようです。
「火災」以外にも使える火災保険の事例を見ていきましょう。

●落雷による、エコキュートやエアコンの室外機の被害
年間を通して雨の日が多く、梅雨時や冬場には落雷も多くみられる石川県。
直接落雷の衝撃を受けるケースはあまりないと思いますが
落雷による雷サージで家の外に置いてある機器の制御基盤が壊れる場合があります。
（雷サージとは、雷によって発生する短時間の異常な過電圧/過電流の事。
落雷時に空気中や地面（アース）を伝って機器に影響を与える事）
外観上は全く問題ないのに、ある朝突然エラー表示が出てお湯が出ない
暖房が付かないなど、家の中で不具合が起きることがりあります。
このように室外機の基盤に通用考えられない高電圧がかかって故障した際には
火災保険の「落雷」に該当しますので、基盤交換の修理費は火災保険が適用できます。

●落雪による被害
北陸にでは水分が多く重たい雪が積もります。
屋根に積もった雪はいずれ溶けて屋根から落た瞬間に凶器となります。
落雪によって、フェンスやサンルーム、カーポートの屋根などが壊れたり
落雪時に屋根瓦がずれるなど落雪の被害は案外多いものです。
この場合も「ひょう害・雪害」に該当しますので、火災保険適用となるケースが多いです。

●強風による風害
台風ではなくても台風並みの強風が吹くこともしばしば。
強風によって飛ばされてきた何かが、ガラスに当たり
ガラスが割れたりヒビが入るなどの被害もあります。
明らかに人為的な傷のつけ方ではない場合「風災」として処理されることも多いです。

他にもゲリラ豪雨などの水災や盗難など、様々な被害において
火災保険が適用となるケースがありますので
まずは、ご自身が加入されている火災保険の内容を確認してみましょう。
万が一の際は、積極的に活用してみてください。

【地震保険】
石川県では平成5年や平成19年と過去にも大きな地震があったにも関わらず
地震保険の加入率は約30％ほど。
令和6年の能登半島地震後、地震保険に加入していなかったことで
建物の修繕に多額の費用が掛かり、金銭的に大きな負担を負った方も多くいらっしゃいました。
改めて地震保険について見ていきましょう。

●地震保険とは？
地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失によって
保険対象建物に生じた損害を補償する保険。
原則、個人の住宅・家財が対象となります。（特約により法人建物も加入可）

●加入形態と保険料について
地震保険は火災保険に付保する形で加入するため、地震保険単体での加入はできません。
火災保険で設定した金額の50％までと決められており
また、損壊状況によっても受け取れる割合が異なります。
この割合と時価額を基準に保険料が決定します。
例えば火災保険の補償額を3000万円に設定した場合
地震保険での補償額は1500万円までとなり、そこから損壊状況によって金額が決定します。
基本的には、外部の屋根や基礎、構造躯体などを見て確認するため
室内のクロスの割れなどは検査対象外です。

●損壊状況による割合
全損　：100％
大半損：60％
小半損：30％
一部損：5%

●注意したいポイント
・個人住宅以外の什器備品/カーポート/塀/フェンスなどは対象外
・地震保険単体では加入できない
・地震発生直後より2週間は新規の加入ができない
・地震保険だけでは再建が厳しい→50%分の保証額＋ローンや自己資金が必要
・地震による72時間以内の火災は地震保険が適用される（＝火災保険の対象ではなくなる）
・災害発生後の火事場泥棒による盗難は対象外
・72時間以内に発生した2回以上の地震は1回の地震とみなされ損害評価される
などなど、注意したいポイントがたくさんあります。

【万が一に備えておきましょう】
改めて、自然災害とはいつどこで何が起こるかわかりません。
火災保険や地震保険といった、万が一に備えることは、大切なご家族の命を守ることに繋がります。
ぜひ備えておきたいものですね。