住まいを長持ちさせるメンテナンス~建具調整~

今回はオーナー様からのお問合せの中でも、多く頂くメンテナンスについてご紹介していきます。
当社オーナー様宅にて多く採用させて頂いている「イマガワ建具」の無垢建具について
改めてご紹介と調整方法などを見ていきます。
オーナー様の皆様にとってはご存じの通り
無垢材は、爽やかな木の香り、優しい質感、暖かみのある木目で
家全体を心地よく包み込んでくれて、生活に癒しを与えてくれます。
木の香りに含まれる「フィトンチッド」により、リラックス効果や安眠効果、殺菌・抗菌効果など
心身共に、自然の良い恩恵を受けることができます。
その一方で、無垢材は私たちと同じように生きています。
しっかり乾燥期間を経た木材でも、材料だった状態と
人と共に日常を過ごす生活の一部になった状態では全く環境が異なります。
お引渡後、今までの工事現場と状況は打って変わり、様々な環境が無垢材にも影響を与えます。
そして、薄い建具はその影響を受けやすいもの。
特に温度差が生じやすい部屋間の建具や、背の高い建具は反りが出やすく
引き渡し後のお住まいでは一番最初に気になりだすメンテナンス項目かもしれません。
「少し動きが硬くなった」「最近引戸が開きづらい」「戸を開けると擦れるような変な音がする」等
擦れてレールが悪くなったり、金具の破損に繋がる恐れがあるため
異変を感じたら無理に動かさないようにしましょう。
定期点検を待たずに、お気軽に当社までご相談くださいね。
「沢野さんに連絡するほどでもないかな~」というような時の為に
今回は簡単にですが、建具の金具調整方法をお伝えします。
【注意】
まずは、どういう状況か、どこに擦れているのか確認し調整方向や調整範囲を確認しましょう。
建具の金具調整の際は、手で回すドライバーを準備します。電動ドライバーの使用は控えましょう。
【片開戸】
枠に当たる場合
●上下調整(扉下側の丁番を調整します)
・扉下側の丁番のキャップを外して、プラスドライバーで調整します。
・扉を開閉し、作動の確認をします。
・調整が終わったら上側の丁番の軸受けを下げます。
・外したキャップを取り付けます。
●前後調整(上側の丁番から調整します)
・扉を手で押さえ上側の丁番固定ネジBを緩め、前後調整ネジCにて調整し
再び固定ネジBを締め付けます。
・下側の丁番も同様に調整します。
・扉を開閉し、作動の確認をします。
●左右調整(上側の丁番から調整します)
・扉を手で押さえ上側の丁番固定ネジBを緩め、調整ネジDを調整し
再び固定ネジBを締め付けます。
・下側の丁番も同様に調整します。
・扉を開閉し、作動の確認をします。
扉がガタつく、ラッチ受けが入りきらない場合
●前後調整(※受箱は前後5㎜の調整範囲があります)
・ラッチ受けの中の前後調整ネジ②をプラスドライバーで回すと左右にスライドします。
【引戸(下荷重)】上部戸車はカバーを外してから調整をしましょう。
●上下調整(調整範囲±3㎜)
・下部戸車の上下調整ネジを右に回すと、扉本体は上に上がります。
・下部戸車の上下調整ネジを左に回すと、扉本体は下に下がります。
●左右調整(調整範囲±2㎜)
・上部戸車の場合
上部戸車の左右調整ネジを右に回すと、扉本体は右に動きます。
上部戸車の左右調整ネジを左に回すと、扉本体は左に動きます。
・下部戸車の場合
下部戸車の左右調整ネジを右に回すと、扉本体は右に動きます。
下部戸車の左右調整ネジを左に回すと、扉本体は左に動きます。
【引戸(上吊仕様)】
●上下左右調整
・戸を吊ったままで、ホルダー部の上のネジを回せば、扉の前後調整
下のネジを回せば扉の上下調整ができます。
他にも折戸や両開戸等、色々な形状の扉がありますが今回はメインの建具について見てきました。
調整方法として見てきましたが、まずは家や建具に異変がないか日々観察することが大切です。
そして、万が一いつもと違う箇所があった際には無理に動かしたり触ったりしないようにしましょう。
不具合が出たまま使用することで、扉本体や金具、床までも傷めてしまう原因になります。
調整中に扉が倒れたり、金具が取れてご自身では戻せなくなったりすることもあるかもしれません。
一番は無理せず、遠慮なさらず当社までご連絡ください。