第7話:木材の乾燥方法(天然乾燥編)

伝統的な木造建築が発達した日本では、昔ながらの天然乾燥がずっと行われていました。

 

天然乾燥とは、簡易的な屋根をかけて雨が直接かからないようにして、太陽の光と風通しによって乾かしていくものです。天然乾燥した木材は、人工乾燥と違って木が本来もつ粘りや香り、美しさや色艶を残しつつ、もっとも大切な油分を保つことが最大のメリットです。

乾燥のために年単位の時間がかかるというデメリットがあるものの、木材に無理をかけずに理想的な形で乾かすことができます。また、近年の研究では、天然乾燥の方が防虫成分を含んだ油分が揮発しにくいので、防蟻対策としても有利であることも徐々にわかってきました。

昔からの知恵で、材木は立てかけるものとされてきました。理由としては、場所をとらずに材木が置けるということと、1本でもすぐに出せるということがありますが、なんといっても立てかけた方が乾燥が早いということがあります。

天然乾燥では、平衡含水率である15%程度の水分量に落ち着くようですが、現代の住宅はエアコンや暖房器具の使用により、さらに室内が乾燥するので、十分に乾燥させた材でも微妙な狂いは出てきます。しかしその狂いもわずかなものであり、だいたい1~2年程度で落ち着いていきます。

環境に負荷をかけずに、「自然の香り豊かな住まい」を作りたい私たちは、たとえ時間がかかっても天然乾燥を続けていきたいと思っております。